こんにちは、星谷です。
前回の記事で、禁食時の栄養補給の方法として「CVカテーテル」ってのがあるよ~と話しました。
今回は、そのCVカテーテルを挿入した時の事について触れてみたいと思います。
中心静脈 (CV) カテーテルの挿入――。
これは簡単にいうと、栄養や薬剤を体内に送るための 安定した経路 (ルート) を確保しましょう、というものです。
ほそい末梢静脈では負担のかかりやすい 濃い薬剤や多量の投与も、太い中心静脈からなら長期的な投与が可能になります。
私の場合は栄養補給のルートとして、これを入れることになったわけです。( 中心静脈栄養法 )
中心静脈への穿刺は医師が行う
穿刺 (せんし) とは 体外から針を刺すことですが、これは処置室で医師に行ってもらいます。
なんか「処置室でやる」っていうとちょっと身構えちゃいますよね。私も当時 変に緊張しちゃって体ガッチガチだったと思うw
私の場合:内頸静脈(ないけいじょうみゃく)から
穿刺する部位は鎖骨下や太ももの付け根のところなど他にもありますが、私は内頸静脈からでした。首のところですね。
準備段階からすでにビビりMAX
まずは、刺すのによさげな位置を探ります。
確かエコー ( 超音波検査 ) かなんか使ったんじゃなかったかな…。そんで、そのよさげな所をみつけたら印をつける。
なんというか……場所が首元っていうのが恐怖を増幅させるんだよなー。
手順をテキストだけで見るとそんな怖い風には見えないし、実際 状況的には何も危険じゃないんだけどね(笑)
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エコーで首をごりごりされるのにしろ、ペンで印をつけられるのにしろ、
こっちは首をそらしていて視認できない分、いま何をされているのかを肌感触で認識せざるを得ないのが、余計に不安感を煽ってるんだろうなーと思う。
何より首元って普段そう人に触られないじゃない?
わたし触られるとムズっとして何とも珍妙な顔になるタイプ。
あれっ、皆ならない?
もし「恋人とイチャつくので慣れてますけど」って人がいたら、向こうの方で末永く爆発しといてくださいね (にっこり)
……いや、私が言いたいのはそんな事じゃないわ。「患者が不安になりやすい部位だよね」って事だわ。
人って「首に太い血管が通ってるから危ない」って本能的に分かっている気がする。
これから何かされる、と思うと怖く感じちゃうよね
妄想力がたくましいと特に。
私は、いわゆるグロいものに対して耐性がある方なのですが、お化け屋敷は大の苦手です。ちゃちなカラクリレベルでも笑っちゃうくらい前に進めません。
同じ3次元という空間にいて「気配が肌で感じられる」っていうのがもう無理だし、たとえ目を瞑って耳を塞いでいたとしても、セルフですごく怖いものが追ってきているのを想像してしまうからです。
そんでもって、アレが切断されてコレがブシャーしてるのよりも、「思わず紙で指をスッ」とか「包丁で指先切っちゃった!」とかの方が「ヒェッ…」ってなることない?
なんというか、「想像できそうな痛み」や「身の危険を肌で感じるもの」に弱いんですよね。
注射の針を刺す瞬間なんかも、どこか違う所を見るようにしてます (笑)
処置の時にも、そんな感じで漠然とした恐怖心があって、消毒液のひんやりとした感触にも「ヒッ」と言いたくなるような心持ちでした。
視界がさえぎられるのも無駄にこわいよね
穿刺部位からの感染を予防するために消毒液をたっぷりと塗ったら、お次は丸く穴のあいたドレープをかけられます。
丸くあいた所が穿刺部位にくるような感じですね。正直、これが一番 情緒が不安定になりました (笑)
だって視界がドレープで見えないんだもん!
あと一部分だけさらされてる感じが「あぁ、これからここに針が…」と容易に想像できちゃってもうダメ。
血管の場所を手でぐいぐい押しながら確認されるのも、意識がそこにいくから身構えちゃうしで、なんかもう……うん。
そんな処置の間にも、看護師さんは緊張を和らげようと声を掛けてくれていました。全然見えなかったけど。
ほんとまじで優しいよね……すごく心強かったもの。全然見えなかったけど。
局所麻酔からの穿刺
いよいよ穿刺……の前に、局所麻酔をします。そのままプスっとしたら痛いからね。後でちょっと縫うしね。(管 固定のために)
局所麻酔で多くの人に身近なやつっていうと、歯を抜く前の麻酔の注射 辺りでしょうか。
どんな処置でもそうだけど、後々のすっげー痛みに耐えるためには、この一瞬の痛みは避けて通れないんですよね……。
麻酔を注射する痛みに耐えることが出来れば、第一関門はクリア。お次はついに本命のカテーテルの穿刺です。
この段階では、先ほど打った麻酔が効いてくれているので痛みはないのですが、ぐいぐい押し込まれている感覚はあるので、「早く終わってくれーい!」という感じ。
色々やってるんだろうけど、一切見えません (笑)
( この間、穿刺針を抜いた外筒からカテーテルを入れていたのだと思われる)
カテーテルを挿入した後は、ちゃんと血管に入っているかどうかの確認をして、OKなら入っている所が動いて抜けてしまわないよう、数針縫ってカテーテルを固定します。
この入っているかの確認の際にレントゲンを使ったかどうかは、記憶があいまいで覚えておりません…。
縫い終わるのを「ふおおお早く終わってくれえええ」と、とにかく祈るばかりでした。
最後に、消毒して上から保護テープを貼ったら処置はおしまいです。
薬がカテーテルにつなげられて、こうして無事に 首元から栄養を血管内に流し込めるようになったのでした。
ありのままに当時の心境を書いたけども…
決して、読んでいるアナタの恐怖心を煽るためにこれを書いているのではないよ!という事を言っておきたいです。
そのとき感じていたことをそのままに伝えたい、と思っているので……。
それでも結果的にこわがらせてしまっていたら、とても申し訳なく思うけれど;
もし今後この処置をすることになって「こっうぇえええ!」ってなったら、「そういえばすごく怖がってたやつの記事よんだわ……」と、↑の私の間抜けなビビり顔の絵でも思い出してやってください。
もしかしたら、「オイオイお前が言ってた程こわくねぇじゃねーか!」ってなるかもしれませんし、
「あいつマジで話盛るのも大概にしろよ…!」くらいに思えたら、しめたものです。
「やっぱ怖かったよおおお!」という方は……ね。うん……同士よ!!!!(熱い抱擁)
今もその時の名残が残ってるよ
みえるかなー。白っぽい点がそうです。
多分「針を刺したところの跡」というより「固定の為に縫い留めたところの跡」が残ってるんだと思われる。
2か所あるのは、何度かカテーテルを刺し直すことがあったからですね。
たまーに鏡で目に入って、「あぁ、そういえば跡地あったね」って思い出すんだけど、昔から吸血鬼に噛まれたみたいだな~と思っていて。
今でもイイ感じに私の厨二心を刺激してくれているよ!