HSPの話

生まれつき とても敏感で感受性が強い人、HSPとは?

布で顔を隠してしまう女性

こんにちは、星谷です。

突然ですが、あなたは「HSP」って聞いたこと、ありますか?

星谷
星谷

私が HSP の存在を初めて知ったのは、たしか2014~2015年 前後くらいの事だったかな。

ある日、ネットで「生きづらい 世の中」と検索した事がきっかけでした。

  • 騒がしい場所が苦手
  • 人が多いところにいると疲れてしまう
  • つよい光や つよい匂いが刺激に感じる
  • 物事に深く感動する
  • 一人になる時間の確保がとても大事 etc…

「自分のことを言われているようだ……」と感じられた方。

この記事がちょっとだけ、そんなあなたのお役に立てるかもしれません。

星谷
星谷

かく言う私もそんな「HSP (非HSS)」の一人。

いつも「なんで私って皆と同じようにできないんだろう……」と、生きづらさや孤独を勝手に感じて苦しんでいました。

世界の約20%がセンシティブな特質をもっている

HSP とは、Highly Sensitive Person

ハイリー・センシティブ・パーソンの略称です。

日本語でいう、

  • とても敏感
  • とても繊細
  • 感受性がつよい

といった特質を持つ人(生物)のことを指します。

このHSPという概念は、1996年にアメリカのエレイン・N・アーロン博士によって提唱されました。

ちなみに、HSPの気質をもつ子供のことを「HSC」

Highly Sensitive Child ……ハイリー・センシティブ・チャイルドといいます。

 icon-arrow-up こちらは2000年に出版されたアーロン博士の著書の文庫版。

提唱者が書いた本ですから、原点を知るという意味でも 一読の価値はあるでしょう。

近年はHSPについての書籍が続々と出版されているので、

そういった他のHSP本と併せて読むことで より理解を深めていくのがオススメです。

※ Highly Sensitiveの訳について

実のところ、「Sensitive」という言葉のニュアンスを日本語を使って表現するというのは、中々に難しいものがあるようです。

たしかに、「敏感」「繊細」といった語感から、どうしても本来のニュアンスとは違ったイメージで捉えてしまう事も十分にあり得ますよね。

当ブログでも、HSPのことを「敏感な人」「繊細な人」「感受性が豊か」

といったような 様々な言葉をつかって何とか表現しようとしていますが、

この、「Sensitive は適切な表現がむずかしい」ということを

頭の片隅にちょこんと置いておいていただけたら、読んでくれている方自身にとっても 良い事なのではないかな、と思っています。

HSPかどうかのセルフチェック

HSPかどうかは、基本的にHSP向けのチェックリストをみて、自分がそれに当てはまるか等をみて判断します。

下記の方法で、みてみてください。

手段1:アーロン博士の書籍またはサイトのセルフテストをみる

アーロン博士の日本版サイト  にてセルフチェックテストが公開されています。

まずはそのテスト項目を見てみるのが一番 手っ取り早いでしょう。

★サイト上部のメニューにある「Self-Tests」をクリック

または

★トップページの「セルフテストはこちら」をクリック

することでセルフテストのページに行くことができます。

エレイン・N・アーロン博士の日本語版サイト:The Highly Sensitive Person

手段2:HSP向けの書籍に載っているチェックリストをみる

アーロン博士の日本版サイトと書籍 以外にも、

HSPを題材にして出版されている書籍の大半が、HSPかどうかの独自のチェック項目を載せていると思います。

中には「ほう……」と参考になるような項目が載っていたりもするので、

色々なHSP本のテスト項目をみてみる事は、HSPを多角的な視点から理解・認識するのに役立つでしょう。

 個人的にこのHSP本のセルフチェックが役立った

私がセルフチェックの点において参考になったな~と印象に残っている本がこちら。

この本の著者は、自身もHSPであり デンマークで多くのHSPのカウンセリングをされているというイルセ・サン氏。

この方の診断リストの設問はとにかく分かりやすくて良い。博士の従来のテスト項目をうまく補完しているなと思います。

アーロン博士のテストの設問には 表現が曖昧に感じられる部分があるので、

診断者が文章の意味を深読みしすぎて、思うように答えられないといったケースがあるんですね。

その点に関して言及されているので、とても参考になりました。

設問数が多めなのもよいですね。

どのテストも完全なものではないという事を念頭にいれておく

あえて、このページに直接チェック項目を載せる、という事はしておりません。

専門家でもないのに設問を作って載せるのは、テスト自体デリケートなものなので何だか憚られるし、

設問をまるっと全文引用するのも、作成者の方の著作権的にもどうなんだろう……と思いまして (一番の本音w)

ノートにチェックリストを書いている手元の写真

たぶん博士や 他の方の書籍のセルフテストをするときにも、隅の方にちょろっと

「あくまでもセルフテストなので、これが全てとは思いこまないでね」みたいな感じの内容の文言が見つけられるかと思います。

セルフテストで自己診断する上での いわゆる免責事項 的なものですが、

やる側も「これらの設問が自身の問題全てを包括しきれているわけではない」ということを理解した上で受けたいですね。

考えてみたら当たり前っちゃ当たり前の事なんでしょうけど、こういうのって結構 頭から抜けがちなので(^^;

大事なことはHSPと分かったその先にあるはず

中には上記のことを聞いて、

「ええっ!自分ではHSPだと思ったけど、セルフテストが完全じゃないと言うのなら、HSPだという確証が持てないじゃない!」

と不安になった方もいるかもしれませんね。

しかし、そもそも大事なのは「誰から見てもアナタはHSPだ!」と太鼓判を押してもらうことではないはず。

自分を形作るひとつのピースともいえる”この性質”をどう受け止め、自身の人生に生かしていくか。

それこそが、HSPという概念の本懐――HSPを知ることの意義なのではないかと、私は考えています。

HSP(HSC)は病気ではない

HSPが病気ではなく生得的な特性だということは、HSPを語る上で大切な点でしょう。

人間だけに限らず、犬・猫・サル・ウマなど、ほかの高等生物にも同じくらいの割合でHSPの特性を持つ個体がいることが確認されているそうです。

(約100種以上で確認されているというのだから驚き…!)

なぜ、こういった敏感な特質を持つものが一定数 存在しているのでしょうか。

危険をいち早く察知し、種を存続させる役割を担っている…?

生物学的な観点から、僅かな異変やサインに敏感なタイプが一定の割合で存在している方が、

種にとって便利なのではないか、と考えられているようです。

確かに、この考察は動物の群れを思い浮かべると分かりやすいですよね。

もし勇敢で好戦的なタイプだけで群れが形成されていたとしたら、危険な状況に陥った時、

引くことは考えず果敢に立ち向かった結果、全滅してしまうという事だって考えられるでしょう。

しかし、その中に周囲の気配に機敏なものがいたならば、微細な変化をすぐに察知して

いち早く皆に知らせることで、外敵や罠などの危険を回避できるかもしれない。

群れの周りの気配を警戒する草食動物

そう考えると、HSPとそうでない人の比率にもなんとなく納得してしまいますね。

HSPの割合は全体の15~20% (およそ5人に1人)と、少数派に属するわけですが、

確かに皆が皆 HSPの性質を持っていたら、きっと世界はてんやわんやの大パニックだろうと思うんです。笑

自分たちを取り巻く情報量の多さに「怖くてどこにも行けない!」と、中々そこから動けなくなっちゃうんじゃないかなって。

で、その場に留まり続ける事の危険も考慮しだして顔面蒼白!みたいなね; 笑

現代社会でどう活かすのかが目下の課題…

ひとまず、この特質が生物にとって一定数必要なことは分かった。

けど、今の人間社会ではどう活かせばいいの?って所に、多くのHSPの方の苦悩が集約されている気がします……。

星谷
星谷

ぶっちゃけ私も、現在進行形で模索している只中にいます。

まさに今悩んでるHSPがここにも存在しているよ!

情報処理能力が高い

HSPは、自分の置かれている場所や状況などの様々な情報を、ほぼ無意識のうちに鋭敏に読み取っています。

その鋭敏さとは、「五感がめちゃくちゃ発達している」という事とは ちょっとニュアンスが違います。

「すごく遠くのものまで見つけられるくらいの視力」とか「すごい遠い所の音も聴き取るくらいの聴力」

というような五感自体の鋭さではないんですね。

(中には五感自体も発達している人もいるとは思うけど)

どちらかというと、

「五感(第六感)という感覚から得たものを、深く読み取るのが得意」

と言った方がしっくりくると思います。

要は「情報処理能力が高い」という事。

ティータイムのテーブルのアップの写真

例えば、とある部屋に一歩 足を踏み入れた時。

  • 入った部屋の漂う空気が柔らかいか、ピリリと張りつめているかどうか
  • 室内にいる人のそれぞれの関係性
  • 部屋に入って来た自分をみている視線、およびそれに含まれる感情 (友好的、敵意、不信感など)
  • どういう流れで今この部屋に漂う空気感になっているのか
  • 自分はここにいても平気かどうか (立ち去る方が賢明かの判断)

などなど……

あくまで 上記はごく一部の情報の例にすぎませんが、概ねこのようなことを感じたり考えていたりするわけです。

 ただ、常に脳みそフル回転なのですごく疲れる

ほぼ無意識(無自覚)に、自分の置かれている状況から様々な情報を読み取っているので、気づけばものすごくグッタリしてしまうことも。

私がHSPを知って良かったな思うのは、この異様な疲れやすさの正体はこれだったのか!と自覚できたことがひとつ大きくあります。

「人間みながみな 常に考え事をしているわけではない」という事実に、大人になってようやく気づいたくらいですから……(^^;

自身を必要以上に責めてしまいがち

ガシガシ行動できる皆が眩しく見えて、

「日々あの膨大な情報量をそつなく さばきながら生活できるなんて、なんてタフなんだ……。」

「それに比べ私は、何故こんなに弱いのか……」

と絶望すら感じていました。

自分責め癖はHSPあるある じゃないかな。笑

傍から見て、特にからだを動かしていたとかでもないのにグッタリと疲れているもんだから(脳疲労が半端ない)、

時には「貧弱・軟弱」「打たれ弱い」などのレッテルを貼られてしまったり、「怠け者」だと思われてしまったり。

何より自分自身がいちばん、思っちゃってるんだよね。自分のことをダメなやつだって。

だから自尊心も低くなりがちだし、中々自信を持てないよって方は 中には結構いるんじゃないかな、と思います。

ベッドでぐったりと眠りにつく女性

高い感受性はポジティブなものにも働く

長い間この特性は、上で述べたような言葉や「シャイ」「神経質」などの様々な、

どちらかというとネガティブなイメージのワードを使って表現される事の方が多くありました。

しかし、この特質は何もマイナス面にしか働かないわけではないんですね。

プラスな面……幸福感などもまた同様に、より深く感じることができるのです。

例えば、雄大な自然の中の風景を眺めている時。

心地よい音色に出会った時――。

巨大な水槽を夢中で眺めている少女の後ろ姿

HSPの人はまさに心震える感動、というような体験を多くしていることと思います。

身近な、つい見過ごしがちな物事からも深い感動を得て、人一倍 幸福を感じることができる。

色んな事が心の琴線に触れまくった結果、

溢れ出る感情の制御に苦労したり、涙をこらえるのに必死になったりしちゃうのはご愛嬌 (笑)

中には「HSPであるか ないかをカテゴライズする事自体ナンセンスだ」と考える人もいるでしょう。

実際、HSPだけを重要視しすぎないという事も大切なことだと感じています。

自身を構成する一面のひとつではあるけれども、それが自身を表す全てではないですものね。

ただ、人知れず「自分はどこかおかしいのではないか?」「なぜ周囲にこうも馴染めないのか」

とずっと悩み続けてきたHSPの方はとても多い。

マイナスな面が注目されがちなこの特質だけれども、これも持って生まれた素晴らしいギフトなんですよというポジティブな側面も、この「HSP」というワードには含まれています。

この事が、当事者にとってどれほど「ホッ」とした気持ちを与えてくれることだろう、と思うんです。

「HSPの概念を受け入れるのに抵抗がある」「知ってショックだった」という人もいるかと思います。

私は、それはそれで全然いいと思う。

それも自然なひとつの反応だし、概念知らなきゃ生きていけないわけでも ないんだしね^^

ちなみに、星谷は HSPという概念を知ってどう思ったかといいますと。

初めてHSPを知った時には、ほ……と深い息をひとつ吐けたような、そんな安堵感に近いものがちょっとありました。

「ああ、このまま(地球に)存在していても良いのかも」って。

自分の立っている足元を見つめる女性

何かに許されたような気持ち、というと何だかちょっと語弊があるかもしれないけど、なんかそんな感じの。

だから、HSPを全ての人に知ってほしい!とかいう感じのは全くなくて、

(むしろ言葉だけ有名になって独り歩きしちゃうのも こわいなと思ってる)

自分の敏感さに悩んでいるような、必要としている人に必要な時に伝わればいいな

そんな思いでHSPについて綴っています。

HSP=内向的な人ではない。外向的な人もいる

よく「内向的な人」とか「外向的な人」とか言いますよね。

HSPはその特質のイメージから、みんな内向的な人なんだと思われがちですが、HSPの内の約30%は外向的な人だといわれているんですよ。

HSPとひとくちにいっても三者三様、十人十色なわけで、言葉のイメージにとらわれ過ぎないのはとても大切なことですよね。

刺激的なことを好むHSPの方は、それはそれで

「ずっと同じことはしていられないから行動するんだけども、その先の刺激に対して疲弊してしまいやすい」

といったような、相反する性質をもつ故の 複雑な悩みを抱えていたりするのです。

おわりに

ざっとHSPの特徴についてまとめてみた……のですが。

ほんと~に、簡単な概要しかまとめられてねぇなこりゃ!って感じの本記事ですので、笑

(いやぁ なんか、この記事だけで「なるほど、これがHSPの全てか!」と完結されてしまったらと思うと、とても心臓に悪くてですね……汗)

HSPに興味を持ってくださった方には、是非 いろいろなHSPの方のブログや書籍を見て頂きたいな、と思います。

自分に近い人と、そうでない人っているわけだけども、それって色々な人のものを見ないとその違いにすら気づけないし、参考にもできないですからね。

どんな物事に対してもそうなんですけど、「極端には捉えないでほしいな……」というのがあるんですよ。

そう思って書くと、どうしても文章が長くなってしまうからいけませんね。笑

星谷
星谷

これからもマイペースにHSPについて、色んな視点 から書いていけたらと思っています。

長い記事をここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!