こんにちは、星谷です。
近年 増加の傾向にある、潰瘍性大腸炎(UC) とクローン病(CD)。
どちらも 炎症性腸疾患 (IBD) に分類され、症状なども似ている点が多い病気ですが、
まれにこの 潰瘍性大腸炎 と クローン病、両方の特徴がみられるために、どちらとも言い難い…なんてケースもあることをご存知でしょうか?
実は わたくし星谷も、そんな 病名がはっきり断定できない患者の内のひとりです。
ちょうどそのことに関連する用語をひとつ覚えたので、今回はそれについて書きたいと思います。
発症して数年経ってから、クローン病である可能性がでてきた
私は 発症当時の所見では、潰瘍性大腸炎でした。
これを書いている時点でも、指定難病の受給者証の病名は 潰瘍性大腸炎です。
ただ、私の 病歴 を見ていただけると分かるように、あるときから肛門周囲膿瘍に何度もなっているんですよ。
肛門周囲膿瘍は、やがて難治性の複雑な痔瘻へと発展してしまいました…。
中々治らない肛門病変が頻発しやすいのは、クローン病によくみられる特徴のひとつです。
ではクローン病なのか?というと、それも断言できない
私は診断される時には既に重症化していたため、発症してから間を置かずに大腸を全摘してしまっています。
クローン病の大腸型――という可能性もなくはないのですが、肝心の大腸がもうないので、確認もできず…。
今のところ小腸などには病変がみられないため、はっきりとした事は分からないんですよね (^^;
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区別が難しい例を Indeterminate colitis というらしい
「Indeterminate colitis」
読みはインデターミネート・コライティス。
潰瘍性大腸炎とクローン病の鑑別困難例のことをこう呼ぶそうです。
両疾患の臨床的、病理学的な特徴を併せ持っていて区別が難しい例、ってことですね。
この横文字、かなり前にも先生がサラッと言ったのを覚えておこうとしたんだけど、見事に忘れて分からずじまいで…! (アホ)
聞いてもすぐ頭から抜けちゃうもんだから、頭で反復しまくって今回は急いでメモりました。
両疾患は似ている点も多いので、断定できないことが多い
潰瘍性大腸炎もクローン病も、同じIBDの括りなだけあって 中々「●●で確定です」とは言いにくい部分が多いんですね。
そんなわけで、私のようにどっちなんだかはっきりしていない「とりあえず潰瘍性大腸炎」な患者さん、意外とちらほら いらっしゃるみたいで。
大人の事情もあるのかな…?
「潰瘍性大腸炎からクローン病に診断が変わる」ことは割とあるのではないかなと思うのですが、
「クローン病から潰瘍性大腸炎に変わる」ことって そうそうないと思うんですよ。
※潰瘍性大腸炎は大腸のみに炎症が起こりますが、クローン病の炎症の範囲は大腸を含めた消化管すべてです。
「今まで大腸にしか炎症がなかったけど、小腸とかにも炎症がでるようになった!私ってクローン病だったのかぁ…」
というのは 「そっか~」と思えるけど、
消化管全てに炎症が起こりうるクローン病だと診断されていたのに、
後から大腸にしか炎症が起きないはずの潰瘍性大腸炎でした、って言われたら「えっ?どゆこと!?」ってなるもんね。
明らかに「うん!これは間違いないわ!」って分かりやすいくらいの所見がみられない限りは、
クローン病という診断の確定は そうされないのかな~なんて個人的には思ってます。
今後、診断名がクローン病にかわる可能性は十分ありえる
私は現在、隔月のレミケード投与と肛門病変の治療が中心なので、ほとんどクローン病患者向けな治療を受けています。
今も受給者証的にいえば UC患者のひとりですが、厳密にいえば「今のところ潰瘍性大腸炎」、という表現の方がしっくりくるかもしれませんね(笑)
診断名の変更には治療薬の関係もある
私がもしクローン病に変わる時がきたとしたら、それはレミケードの投与量を増やす時ですね。
診断された病名によって、投与できる薬の種類や量の上限が違うんです。
レミケードもクローン病の方が投与できる量の上限が高いようなので…。
こういった有効な治療法の都合上、診断名をかえることもあると思われます。
いまは「潰瘍性大腸炎」で出来る治療の範囲内で済んでいるだけ
私がUCのままなのは、潰瘍性大腸炎の名前で使用できる範囲内の投与量で症状を抑えられているため、
いま急いでクローン病にかえる必要は特にないだろう、といった理由からです。
投薬量をもっと増やす必要があれば、割とあっさりクローン病に変わるんだろうなぁ、と思います。
おわりに
Indeterminate には、
性質などが確かでない、うやむやではっきりとしない、といったような意味があるようですね。
おお、まんまや (笑)
どっちなんだか分からないのは どうにもすっきりしませんが、それも仕方のないことだと半ば割りきってます。
こういったケースの話は、患者さん同士で話すとちょいちょい出てくるものかな~とは思うのですが、
ネット上では全然見かけないので、取り上げてみました。
「自分も同じような感じです」ってお仲間さんとかいらっしゃるかな?
いたら、是非お話を伺ってみたいものです(^^)